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海のなかの生きもの
砂丘に連なる海の動物
砂浜が海に接するあたりには、波と行動を共にするスナホリガニが見られ、水深一メートルくらいのところには、ヒラメ、カレイ、コチ類の稚魚やシオフキ、アサリ、コタマガイなどの貝類が生息している。
水深が二メートルをこすと、アジやサヨリの群れが泳ぎ、ヒラメ、キス、コチなどの成魚も見かける。しかし、生物相としては、岩礁地帯に比べ貧弱である。
これらの動物のなかで生態的に面白いのは、甲長約二センチメートルの楕円形をしたスナホリガニ(ヤドカリに近い仲間)だ。ふだんは波打ち際の砂に浅く潜っているが、静かに打ち寄せる波がサーッと砂の上にはい上がってくると、それに乗ってパッと砂から飛びだし、引く波とともにあっという間に砂中に姿を消す。その早業はまさに渚の忍者と呼ぶにふさわしいものである。

岩礁の海に生きる
砂浜の海に比較して、岩礁の海は岩棚や潮だまり、岩礫など複雑な地形のため隠れ家や餌が多く、多様な生物がそれぞれ環境に適応した生活を営んでいる。

波しぶきを受ける岩場の生物
冬の荒波の砕け散る岩肌に、べったりと張り付くイワノリ(ウップルイノリ)を、波の合間を見て採集するのは容易ではない。貝類では、小型のアラレタマキビやタマキビが、夏の焼けるような日差しのなかに生活している。とくにアラレタマキビは乾燥に強く、この貝を机の引出しに入れて二カ月経過しても生きていたのには驚いた。
また、フナムシは、岩肌を敏捷に走りまわり、子育ての季節には、腹一杯に子を抱える。時として子どもたちが母親の体から離れることがあると、信号糸の合図で、さっと母親のお腹へ駆け込む。その鮮やかな統率力に、思わず感動の拍手を送りたくなる。


[表-1]山陰海岸の海藻垂直分布(浦富海岸)




0













-16






-50
cm
緑藻類 褐藻類 紅藻類
ボウアオノリ   カヤモノリ ウップルイノリ
ハネソゾ
ウミゾウメン
アナアオサ
タルガタジユズモ
タマジュズモ
ウスバアオノリ
ノコギリモク
ウミトラノオ
カゴメノリ
フクロノリ
イソモク
キ∃ウノヒモ
オキツノリ
ケイギス
スギノリ
イソムラサキ
ムカデノリ
ツノマタ
カタノリ
オゴノリ
フシツナギ
ワツナギソウ
ピリヒバ
ユナ
ミル
フサイワヅタ
アミジグサ
オキナウチワ
ウミウチワ
モヅク
アラメ
ヤツマタモク
フシスジモク
マクサ
オバクサ
カギイバラノリ
カパノリ
  シワヤハズ
へラヤハズ
イシモヅク
アカモク
オオバモク
ツルモ
ワカメ
マメダワラ
ヨレモク
 

潮の干満の差を利用する生物
 日本海側は、太平洋側に比べて干満の差が少なく、山陰海岸では、太平洋岸の三分の一の七十センチメートルに満たない。このあいだに、潮間帯(ちょうかんたい)生物と呼ばれるカメノテ、クロフジツボ、イソガニ、イワガニ、ヒライソガニなどの甲殻類やヨメガサラ、ヒザラガイ、カモガイ、ムラサキイガイなどの貝類、海藻(かいそう)では、アナアオサ、フトジユズモ、アオノリ、ハネモ、タマジユズモ、カヤモノリなどが生育している。
クロフジツボやカメノテは、干潮のときはまったく沈黙を守っているが、潮が寄せてくると、体の上部から多くの手(じつは脚)をだし、これを開閉しながら忙しく餌をとる。
イソガニやイワガニは、貝の肉などを与えると、片方のはさみでしっかりつかみ、もう一方のはさみで小さく切って口へ運ぶ。最後の一片は両方のはさみで大切そうに口に入れ、食べ終ったあと口の周りをはさみできれいに掃除するというマナーぶりを発揮してくれる。

浅い海中の生物
 水深○〜二メートルは、人間にとっては海水浴や磯遊びに最適の場所であるが、岩や礫を利用して、さまざまな生物がくらす生活圏でもある。
岩肌には、カイメンやイソギンチャクの仲間が付着し、アメフラシ、シロウミウシなどが見られる。貝類ではサザエ、イボニシ、アワビなどが岩の割れ目やくぼみで生活している。海藻のあいだをクジメ、アイナメ、アナハゼが優雅に泳ぎまわり、また、カワハギ、カゴカキダイ、ウミスズメなどの稚魚が岩のあいだで餌をとっている。
海底の石や礫の下には、マナマコ、イトマキヒトデ、クモヒトデなどがかくれ、クボガイやイシダタミなどの貝類やバフンウニが観察できる。海藻では、大型のノコギリモク、ヤツマタモク、ワカメ、中型のサナダグサ、ヘラヤハズ、小型のテングサ、ツノマタ、カタノリ、ワツナギソウなどが多種多様に生活している。これが多くの動物たちに餌や隠れ家を提供しているのである。
かわった動物ではモクズシオイ、イソクズガニがあげられる。観察していると、海藻のついた小さな石が突然動き、驚かされることがある。これは彼らが体一面に海藻やカイメンを植え付けて偽装した姿である。また、白銀に輝く小鳥の羽毛に似た海藻が岩の側面に付着しているが、うっかり手をだすと、毒をもった刺胞がささって痛みを感じる。じつは海藻ではなくてシロガヤというれっきとした動物である。
海藻の多くは食用となり、代表的なものとして、ワカメ、ムカデノリ、テングサ、モヅク、イギスなどがある。

[表一21岩礁の海岸動物
区分 浅海岩礁 磯や岩の下
海綿動物 ムラサキカイメン、ザラカイメン、ダイダイイソカイメン  
腔腸動物 シロガヤ、ウメボシイソギンチャク、ミドリイソギンチャク、アンドンクラゲ、アカクラゲ  
扇形動物   ウスヒラムシ
環形動物 ケヤリムシ、イワムシ イソゴカイ
節足動物 ワレカラ、コブカニダマシ、ホンヤドカリ、モクズシオイ、ヒライソガニ、イシガニ、ベニツケガニ、ク□フジツボ、アカフジツボ ヒメアカイソガニ、アカイソガニ
軟体動物 後鰓類 アメフラシ、アオウミウシ、シロウミウシ  
巻貝類 ヒメイガイ、エビスガイ、カニモリガイ、サザエ、イボニシ、イシダタミ、トコプシ、アワビ クボガイ、イシダタミ
棘皮動物 ウミシダ、アカウニ、ムラサキウニ、イトマキヒトデ バフンウニ、クモヒトデ、マナマコ、ヤツデヒトデ
脊椎動物 魚類 キユウセン、アナハゼ、イソカサゴ、ナベカ、ヘビギンポ、ウミタナゴ クジメ、アイナメ


1.アジ

マアジやムロアジなどの一般魚からシマアジやカンパチなどの高級魚まで、幅広く食用されている
2.ヒラメ

目が体の片側にある特異な形質をもつ。ふつうヒラメは左にあり、カレイは右である
3.スナホリガニ
スナホリガニ
甲長約23ミリ。満潮線の砂地に生息する。甲は楕円形で左右に湾曲している
4.イワノリ
(ウップルイノリ)


潮間帯上・中部の岩礁上に生息する。初冬がら厳冬期にかけて繁茂する。雌雄異株
5.アラレタマキビ

岩面にはえた徽細な藻類や海藻華を餌とする。一般に乾燥に対する抵抗力が強い
6.フナムシ

体が背腹に扁平。陸上生活に適応し、岩場を敏捷に走りまわる。くさった有機物をあさる
7.カメノテ

主に潮間帯上部の岩の割れ目に群生する。寄せ波の際、船板のあいだから脚を伸ばして餌をとる
8.イワガニ

額が幅広く、甲面は緑色の地に黒色の斜めの条線がある。はさみ足は赤
9.カモガイ

ユキノカサガイ科。殻の形が笠状になつているため、「笠貝」という総称がある
10.アナアオサ

長さ20〜30センチ、時にそれ以上になることも。潮間帯下部の主に岩面上に大きな群落をつくる
11.ハネモ

潮だまりや低潮線付近で、ほかの海藻などとともに見られる
12.シロウミウシ

とくに日本海側の浅海の岩礁地帯に多く見られる。夏、白色の渦巻き状の卵塊を岩に産みつける
13.クジメ

アイナメ科。肉食性て魚額や甲殻額を餌とする。温帯域沿岸の海藻のなかにすむ
14.マナマコ

体長は30センチまて。食用ナマコとして、珍重される。丸みを帯びた背面に円錐形のいぼがある
15.イトマキヒトデ

腕のあいだの切れ込みが浅い。背面の地色は、藍青色がふつうだが、黄色〜白色もある
16.ムカデノリ

主に潮間帯の静かな場所の岩上に見られる。食用

資料提供:(財)自然公園美化管理財団(C)
写真提供:鳥取自然に親しむ会会長 清末忠人氏

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